フィナステリドは前頭部の薄毛・M字ハゲ改善に効果的

フィナステリドは、男性型脱毛症(AGA)の改善に効果的とされ、AGA治療薬であるプロペシアの有効成分としてよく知られています。フィナステリドを半年以上の長期間服用すると、AGAの症状進行を遅らせたり、将来の薄毛のリスクを下げたりする効果が期待できるのです。

AGAが生じる原因のひとつに、5α-リダクターゼがあげられます。
5α-リダクターゼが活発に働くと、抜け毛のリスクファクターであるTGF-βが多く産生され、その結果毛髪の成長サイクルが乱れてAGAが進行してしまいます。

フィナステリドはこのAGAのリスクを高める5α-リダクターゼの働きを阻害する作用を持っており、抜け毛や薄毛の進行を予防するのです。

フィナステリドはⅡ型の5α-リダクターゼの働きを阻害する

AGAのリスクを高める5α-リダクターゼにはⅠ型とⅡ型の2種類があります。それぞれ分布が異なり、Ⅰ型は全身の皮脂腺に、Ⅱ型は前頭部や頭頂部の毛包部に多く分布することがわかっています。
遺伝的にⅠ型の働きが活発な人は皮脂の分泌量が多くなり、一方でⅡ型が活発に働く人は前頭部や頭頂部の薄毛のリスクが高くなる傾向にあり、その結果いわゆるM字ハゲという状態になるのです。

また、M字ハゲやO字ハゲなどの男性型脱毛症において特徴的な禿げ方には、以下の4つの物質が大きく関わっています。

  • 男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)
  • 還元酵素の5α-リダクターゼ
  • サイトカインのTFG-β
  • タンパク質のFGF-5

DHTはテストステロンが変化したもので、このとき触媒の役割を果たすのが5α-リダクターゼです。DHTが前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞にあるアンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容器)と結合すると、TFG-βが産出されます。

TFG-βは「退行期誘発因子」とも呼ばれ、FGF-5に対して指令を出します。その結果FGF-5が脱毛シグナルを発することで健康的な毛周期が乱れ、多くの抜け毛が生じてくるのです。

本来、毛髪は抜けた後に生え変わって一定期間成長するため、治療を要するほどの脱毛や薄毛に悩むことはありません。しかし、人によってアンドロゲンレセプターの感受性が高い、もしくはⅡ型の5α-リダクターゼの働きが活発なケースもあるのです。

フィナステリドを服用するとⅡ型の5α-リダクターゼの働きを阻害できるため、男性型脱毛の進行を遅らせて将来的なリスクについても軽減が期待できます。

フィナステリドの効果が現れるまでの期間は?


フィナステリドは服用してすぐに効果が出るものではありません。即効性はありませんが、半年、1年、2年と服用期間が長いほど、高い発毛効果が期待できます。

フィナステリド錠として有名なプロペシアを使った臨床成績では、以下のような結果が報告されています。

  • 1年間服用すると、58%の人にAGAの改善効果が見られた
  • 2年間服用すると、68%の人にAGAの改善効果が見られた
  • 3年間服用すると、78%の人にAGAの改善効果が見られた

また、AGAは進行性という特徴があるため、継続的な治療が望ましいです。プロペシアの添付文書でも、「効果が確認できるまで通常6ヶ月の連日投与が必要」「効果を持続させるためには継続的に服用すること」とあります。長期服用による効果の減弱を心配する人もいますが、臨床成績で耐性は報告されていません。

フィナステリドを半年投与した前頭部の薄毛(M字ハゲ)のAGA治療症例写真

フィナステリドの効果について症例写真とともにご紹介します。

HRタブレット セット
施術名:HRタブレット セット
施術の説明:内服薬は体の内側からAGAの進行を止め、発毛しやすい環境に体を整え、外用薬で直接、毛根に発毛促進を働きかける治療方法です。
施術の副作用(リスク):内服開始から1~2ヶ月は初期脱毛が見られることがあります。また、発赤、痒み、発疹などお肌のトラブルなどが生じることがあります。
施術の価格:13,030円~70,400円

こちらは、6ヶ月継続してHRタブレットセットを服用して治療をおこなった症例です。
副作用として、初期脱毛や初赤、痒み、発疹が生じることがあります。

半年の治療を経て、M字に禿げていた左前頭部にしっかりと太い髪の毛が生えています。
他の部分との差も目立たず自然な仕上がりで、薄毛という印象は受けないでしょう。
症状が進行する前にAGA治療を開始したことにより、約半年でしっかりとした効果を得られた事例です。

前頭部の薄毛(M字ハゲ)をフィナステリドで治療する際の価格

湘南AGAクリニックでは、前頭部(M字ハゲ)の薄毛などのAGA治療に、フィナステリド配合のタブレット1ヶ月分を販売しています。初回は1,800円、2回目以降は3,000円です。
また、先ほどご紹介した症例で使われたHRタブレットセット(フィナステリド配合)は、初回限定6ヶ月分を59,880円、12ヶ月分を130,370円でご購入いただけます。

HRタブレットセットは、AGAの進行を抑える「フィナステリド」、発毛を促進する「ミノキシジル」、髪を太く強くする「ビタミン・ミネラル・アミノ酸」タブレットのセットです。

なお、HRタブレットセットは全額返金制度の対象メニューです。効果を実感頂けない場合は全額返金いたします。本当に効果があるのか不安な方や、クリニック選びに迷っている方は是非下記ページより湘南AGAクリニックの治療薬についてご覧ください。
AGA・薄毛の内服薬・外用薬(薄毛薬)|湘南AGAクリニックの薄毛治療・自毛植毛

フィナステリドによる副作用

フィナステリドの副作用として、初期脱毛、性欲減退や勃起不全、肝機能障害、うつ、精子減少の症状が報告されています。

初期脱毛は多くの方に見受けられる症状で、ヘアサイクルが乱れた弱い毛髪が抜け落ちることで起きます。治療開始後約1~2ヶ月の間に起こる症状ですが、これは正常なヘアサイクルに戻す合図のようなものでもあります。初期脱毛の症状が終わると、髪の毛が生えてきます。初期脱毛について、詳しく知りたい方は下記コラムもあわせてご覧ください。
AGA治療薬フィナステリドの副作用である初期脱毛とは?原因や服用時の注意点について

また、臨床試験では被験者の1〜5%が性欲減退を感じ、1%未満の割合で勃起不全・射精障害が起こるなど性機能に対する変化も認められました。
肝機能障害が起こることはごくまれで、これは個人の体質による要因が大きいと考えられます。

なお、プロペシアⓇ錠の添付文書では、生命の維持に関わる副作用が生じる可能性は低いとのデータが示されています。
フィナステリドの効果や副作用については、こちらから詳細をご確認いただけます。
プロペシア(フィナステリド)の効果と副作用|湘南AGAクリニックの薄毛治療・自毛植毛

前頭部の薄毛(M字ハゲ)のAGA治療薬にはデュタステリドも使用される

前頭部のAGA治療薬として、デュタステリドを使用する場合もあります。

デュタステリドはⅡ型5αリダクターゼの働きを抑制する力が強く、フィナステリドと比較すると1.6倍の発毛効果があるとされます。つまり、フィナステリドよりもデュタステリドのほうが高い発毛効果を期待できます。また、薬の効果には「半減期」も大きく関わっています。半減期とは、体内の薬の濃度が半分になるまでに要する時間を指し、これが長いほど体内で長時間薬が働いていることを意味します。

デュタステリドはフィナステリドよりも半減期が長いため、効果が長時間続きやすいといえます。
ただし、半減期が長いことは決してよい影響ばかりではありません。薬の有効成分が体内に長く留まるということは、それだけ副作用のリスクが高まるということです。

フィナステリドとデュタステリドの違いや副作用について、こちらから詳細をご確認いただけます。
フィナステリドとデュタステリドには違いがある?|男性薄毛治療に関する疑問に答えるWebマガジン

前頭部の薄毛(M字ハゲ)をフィナステリド以外で治すには?

前頭部のAGA治療の選択肢として、フィナステリドやデュスタリド以外の治療薬も存在します。治療薬としてはミノキシジルが代表的です。また、毛髪再生メソセラピーや自毛植毛という治療方法もあります。
これらの治療方法をフィナステリドの服用と合わせておこなうことで、さらなる発毛促進効果が期待できます。

このように前頭部の薄毛(M字ハゲ)の治療にはさまざまな選択肢があります。医師のカウンセリングを受けながら、最適な治療を受けることが効果を実感しやすくなるカギとなるでしょう。

以下では、ミノキシジル、毛髪再生メソセラピー、自毛植毛についてご紹介します。

ミノキシジル

フィナステリドと同じく、前頭部の薄毛(M字ハゲ)の治療薬として代表的なのがミノキシジルです。毛髪の成長を促して毛周期を延長させるなどの効果があり、内服・外服ともに用いられています。使用を開始すると、フィナステリドと同様に初期脱毛が起こる場合があります。これは、AGAの影響で休止期になっていた毛周期が成長期へ移行するにあたり、古い髪の毛が押し出されて抜けてくるためです。

副作用としては、発疹やかゆみなどの頭皮トラブルが生じる可能性があります。
厚生労働省の報告では、ミノキシジル5%含有外用薬における副作用の発現率は8.82%とされており、長期投与でも重篤な副作用はほとんど見られません。副作用が気になる場合には医師に相談してみましょう。

湘南AGAクリニックでは、AGA治療に有効なミノキシジル配合をしたタブレットを販売しております。ミノキシジルをはじめとするAGA治療薬については、こちらから詳細をご確認いただけます。
AGA・薄毛の内服薬・外用薬(薄毛薬)|湘南AGAクリニックの薄毛治療・自毛植毛

毛髪再生メソセラピー

毛髪再生メソセラピーは、レーザーや超音波などを用いたAGA治療です。発毛・育毛に必要な有効成分を頭皮に直接浸透させるため、短期間で高い発毛効果が期待できます。
また、AGA治療薬と毛髪再生メソセラピーを併用して治療したところ、AGA治療薬単独での治療と比べて発毛効果が数倍高まったという報告もされています。

多少のチクチクした痛みをともなうことがありますが、一般的に副作用の少ない施術のひとつです。施術直後は赤みやかゆみ、腫れといった副作用が見られることもありますが、ダウンタイムは1週間程度で改善・解消してきます。

毛髪再生メソセラピーの詳細や症例については、こちらから詳細をご確認いただけます。
AGA(薄毛)治療と合わせる毛髪再生メソセラピー|湘南AGAクリニックの薄毛治療・自毛植毛

自毛植毛

後頭部や側頭部は、薄毛の影響を受けにくい特性があります。この特性を生かし、薄毛が気になる箇所に自身の後頭部や側頭部の毛髪を移植する治療法が自毛植毛です。自身の毛髪を使うことで、人工植毛で生じやすい拒絶反応などの副作用が低くなります。また、毛包と呼ばれる組織ごと採取して植毛するため、施術箇所は髪の毛が生え変わり、半永久的な効果を望めるのも特徴です。

自毛直毛もAGAに対して効果的な治療法のひとつで、日本皮膚科学会によって治療が有用と認められています。

自毛植毛の詳細については、こちらから詳細をご確認いただけます。
自毛植毛とは(仕組みや効果について)|湘南AGAクリニックの薄毛治療・自毛植毛

また、気になるAGA治療の費用については下記よりご覧ください。
AGA治療の費用(料金・値段)一覧

遺伝によるAGAの発症は全体の25%程度

これまでご紹介してきたAGAは遺伝が原因で発症することがあります。遺伝的に5α-リダクターゼの働きが活発な人や、アンドロゲンレセプターの感度が高い人は特にAGAを発症することがあります。

しかし、遺伝が原因でAGAを発症しているのは全体のおよそ25%であり、残りの75%の原因は、ストレスや不規則な生活、栄養バランスの偏りや運動不足などの生活習慣だと考えられています。そのなかでも特にAGAの発症リスクを高めるといわれているのは、ストレスです。

自律神経には交感神経と副交感神経があり、両者は男性ホルモンの働きにも影響を及ぼしまが、ストレスが続くとこの自律神経が乱れ、AGAをはじめ身体にさまざまな症状が現れます。

まとめ

フィナステリドは、前頭部の薄毛に対するAGA治療に有効な成分です。半年から1年程度服用することで、薄毛の改善が期待できます。また、AGA治療ではフィナステリドを始めとする複数の薬剤や治療方法を併用することも効果的です。

なお、フィナステリドの主な副作用として初期脱毛がありますが、これは毛周期を正常に戻すうえで一時的に必要なプロセスのひとつといえます。

治療の効果を高め、より早く実感を得るためにも、医師と相談して自分に合った治療法を見つけることが重要です。

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監修医情報

斎藤医師

湘南AGAクリニック
新宿本院院長 斎藤医師

経歴

  • 1994年三重大学医学部卒業
    同付属病院脳神経外科入局
  • 2001年大手美容外科勤務、院長職
  • 2009年湘南美容外科クリニック勤務
  • 2016年湘南AGAクリニック大阪院勤務
  • 2023年湘南AGAクリニック新宿本院勤務

運営者情報

運営クリニック 湘南AGAクリニック 新宿本院
住所 〒160-0023
東京都新宿区西新宿6丁目3番1号 新宿アイランドウイング7階
お問い合わせ 0120-548-911
院長 斎藤 浩一医師