自毛植毛

自毛植毛とは

自毛植毛とは、「AGA」と呼ばれる男性型脱毛症に有効な薄毛治療です。後頭部と側頭部の自分の毛を採取して、薄毛・抜け毛が気になる箇所に移植します。髪を成長させる組織ごと採取するため、植え替えた後も成長し、自然に髪が生えてきます。

人工植毛との違い

自毛植毛と同じ方法で、人工植毛という治療法もあります。名前のとおり、合成繊維からできた人工毛を植毛する方法ですが、拒絶反応や炎症を起こすリスクがあります。その点において自毛植毛は、自らの毛を植え替えるため、拒絶反応や炎症、感染症のリスクがなく安全な薄毛治療です。

AGAになる原因

AGAになる原因として、遺伝やストレス、生活環境などが挙げられますが、最も大きな原因は男性ホルモンです。男性ホルモンによって生み出されるDHT(ジヒドロテストステロン)が、ヘアサイクルに影響を与えることで薄毛や抜け毛を引き起こします。

自毛植毛の仕組み

AGAは、額の生え際の後退や頭頂部が薄くなるという特質があり、後頭部や側頭部は影響を受けにくい箇所です。影響を受けていない健康な髪を、毛包という組織ごと採取し、額や頭頂部に移植します。毛包ごと採取した毛のことを「グラフト」と呼び、自毛植毛はグラフトを植えるホールを額や頭頂部に作って移植する仕組みです。

グラフトの採取方法は主に「FUE法」と「FUSS法」の2つがあります。
FUE方は1つひとつ採取するのに対し、FUSS法は、10〜20cm程度の帯状に切り取り採取します。当院では、痛みや傷跡が少ないFUE法を採用して施術をおこなっています。

自毛植毛のメリット

自毛植毛には、次のようなメリットがあります。

  • 拒絶反応・炎症・感染症リスクが少ない
  • 日本皮膚科学会から承認されている
  • 手術後の効果は半永久的に続く
  • ヘアアレンジやカラーも楽しめる

人工植毛とは異なり、副作用のリスクが少ないことがまず挙げられます。また日本皮膚科学会からも効果が認められており、安全な薄毛治療です。術後は髪が生え変わって自然な仕上がりとなり、ヘアアレンジも自由に楽しめます。

当院の自毛植毛の施術

自毛植毛のデメリット

自毛植毛のデメリットとしては次のようなものが挙げられます。

  • 費用が高額になりやすい
  • 効果の即効性はない
  • 傷跡や後頭部の刈り上げが目立つ

デメリットは、費用が高額になりやすい点です。グラフト数によって金額が変わるため、AGAが広範囲に進行している場合は、費用が高くなります。ただし一度手術を受ければ半永久的に生え続けるため、育毛剤や薬などのランニングコストはかからなくなるでしょう。

移植した毛が生え変わるには、半年〜1年程度かかります。効果の即効性はありませんが、自然に生えるため周囲の方には気付かれにくいといえます。
手術による傷跡や刈り上げ部分は、傷跡の周りの髪の毛で隠すこともできます。また、なかには刈り上げが不要な施術もあります。

自毛植毛の症例写真

自毛植毛3つの症例をご紹介します。

スマートFUE植毛

施術前

施術前

施術6ヶ月後

施術6ヶ月後

ノンシェーブン植毛

施術前

施術前

施術6ヶ月後

施術6ヶ月後

傷痕の自毛植毛

施術前

施術前

施術12ヶ月後

施術12ヶ月後

自毛植毛の副作用やリスク

自毛植毛の副作用は比較的少ないですが、施術にともなう痛み・赤み・熱感などを感じることがあります。また術後1〜2ヵ月は、初期脱毛として移植した周辺が一時的に脱毛する症状(ショックロス)がみられる場合もあります。あくまで一時的な症状なので問題ありません。

そのほかに、まれではありますがつっぱり感、感覚の鈍さ、施術範囲のざ瘡の悪化、コメド、毛嚢炎、膨隆、色素沈着、点状出血、内出血、腫脹、灼熱感、瘢痕などが生じる可能性もあります。

術後の注意点

術後の患部はデリケートになっているため、当日のシャンプーは控えてください。
翌日から1週間ほどは、やさしく刺激を与えないように洗髪してください。
体が温まると、患部の赤みが生じるため入浴に関しては、1週間程度は控えることになります。ドライヤーは、冷風を使って乾かしましょう。
術後5日は、激しい運動も避けてください。

自毛植毛の施術まとめ

施術の概要自毛を毛包ごと採取して、薄毛や抜け毛の箇所に移植するAGAに有効な薄毛治療。
メリット
  • 拒絶反応・炎症・感染症リスクが少ない
  • 日本皮膚科学会から承認されている
  • 手術後の効果は半永久的に続く
  • ヘアアレンジやカラーも楽しめる
デメリット
  • 費用が高額になりやすい
  • 効果の即効性はない
  • 傷跡や後頭部の刈り上げが目立つ
副作用・リスク施術に伴い、痛み、赤み・熱感、初期脱毛、切れ毛・抜け毛、つっぱり感、感覚の鈍さ、施術範囲のざ瘡の悪化、コメド、毛嚢炎、膨隆、色素沈着、点状出血、内出血、腫脹、灼熱感、瘢痕が生じる可能性がある。
洗髪・入浴洗髪は翌日から可能。1週間程度はやさしく洗う。
入浴は1週間ほど控えてシャワーのみ。
運動術後から5日間は、激しい運動を避ける。

自毛植毛の施術の流れ

  • Step.1医師とのカウンセリング

    カウンセリング予約をしていただき、ご予約日にご来院いただきます。医師とのカウンセリングで頭皮の状態や、自毛植毛の手術が適しているのか判断させていただき、最適な治療法をご提案します。副作用やリスクについてもご理解いただいたうえで、手術日を決定します。

  • Step.2デザインとマーキング

    手術当日は、患者さまの体調などを確認したあと、植毛する箇所のデザインとマーキングをおこないます。グラフト採取部分の刈り上げもこの時におこないます。(刈り上げない施術もあります)

  • Step.3局所麻酔

    自毛を採取する箇所に局所麻酔を使用します。手術中は痛みをほとんど感じません。

  • Step.4自毛植毛の施術

    後頭部または側頭部からグラフトを採取します。移植する箇所にホールを作成し、移植していきます。術後は回復室でお休みいただいたあと、ご帰宅いただけます。

よくある質問

手術中の痛みはどのくらいですか?

麻酔を注入する際の痛みはありますが、局所麻酔で手術中の痛みはほとんど感じません。麻酔がしっかり効いていることを確認して手術をおこないます。

術後のシャンプーは極力しないほうがよいですか?

当日のシャンプーはお控えいただきますが、翌日からは頭皮を清潔に保つ意味でもシャンプーをすることをおすすめしています。スカルプケアシャンプーなどの刺激の少ないシャンプーで洗髪し、やさしく洗ってください。

いつから仕事に復帰できますか?

デスクワーク中心のお仕事の場合、翌日からでも復帰ができます。ただし、仕事内容によるので、復帰するタイミングは担当医にご相談ください。

術後にかつらや帽子などは使えますか?

術後3日後程度でかつらはご使用いただけます。帽子は、患部を締め付けたり、擦れたりする帽子は避けてください。ヘルメットも同様、患部があたってしまうものはさけてください。大きくてゆとりのあるニット帽などがおすすめです。