AGA治療は何歳から始めるべきなのでしょうか。中年男性特有の悩みというイメージがあるかもしれませんが、近年では20代をはじめとした若者のAGAも増えてきています。今回はAGAの年齢別発症率や治療方法について解説していきます。
AGAの発症に年齢は関係あるのか?
AGAは30〜50代の中年男性に多くみられる症状ですが、実は発症理由に年齢はあまり関係ないのです。近年では男性の薄毛が低年齢化しつつあるといわれており、20代をはじめとした若者のAGAも増えてきています。
AGAとは
AGA(男性型脱毛症)は、ヘアサイクルを乱す強力な男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」が原因で発症します。
DHTは「5αリダクターゼ」という酵素と男性ホルモンの「テストステロン」が結合することによって変化したものです。毛乳頭細胞に存在するアンドロゲンレセプターと結びつくと、通常2年~6年維持される成長期が、数ヵ月〜1年で退行期へ移行してしまいます。
AGAになると髪が成長しきる前に抜け落ちてしまい、成長する髪よりも抜ける髪の量が上回ってしまうため、髪全体の量が減少してしまうのです。
AGAの原因
次のような要素がAGAの原因として考えられています。
- 遺伝
- 不規則な睡眠
- 偏った食生活
- 強いストレス
- 間違ったヘアケア
DHTはアンドロゲンレセプターと結びつくことでヘアサイクルを乱します。アンドロゲンレセプターの感受性を決める遺伝子は、母方の家系のものが息子に引き継がれるため、母方の家系に薄毛の人がいる場合AGAを発症する確率が高いといえます。
遺伝のほかにも、不規則な睡眠・偏った食生活・強いストレス・間違ったヘアケアなどはAGAの原因・進行につながります。
AGAになりやすい人の特徴や原因は?効果的な3つの治療法を紹介>
AGAの年齢別発症率
AGAの年齢別発症率は以下の表のとおりです。
年代 | 発症率 |
---|---|
全年代平均 | 30% |
20代 | 10% |
30代 | 20% |
40代 | 30% |
50代 | 40% |
AGAは日本人の3人に1人が発症するといわれています。
40代以降に発症率が高くなっていますが、20代〜30代で発症している人もいることがわかります。
参照:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
AGAの年齢別症状と治療効果
AGAを発症した年齢によって症状や治療効果に違いはあるのでしょうか?
年代別に解説していきます。
20代
生活環境の変化によるストレスや生活習慣の乱れにより、AGAを発症するリスクがあります。
抜け毛が目立つようになり、ハリやコシがなくなっていくなどの症状がみられます。20代のAGAはほかの年代に比べて進行具合が早い傾向にあります。
また、AGAは進行性の脱毛症です。
20代の毛根細胞は活性化している可能性が高く、早い段階で治療を開始することで治療効果は高まります。
30代
結婚や仕事の責任感によるプレッシャーや、頻繁な飲酒や喫煙による血行不良などが原因でAGAを発症して徐々に薄毛が気になる方も増えていきます。
つむじ周辺の薄毛や生え際の後退など、髪の量が減少することが多くなります。30代後半〜40代にかけて症状が急激に進行する場合があるため、早めの治療をおすすめします。
40代
40代のAGA発症率は32%と、30代に比べて急激に上がる傾向にあります。
仕事で役職に就くなど、強いストレスや睡眠不足、食生活の乱れなどによりAGAを発症するリスクが高いです。
前頭部や頭頂部の薄毛がはっきり目立つようになります。40代ではAGAの症状が進行しているケースが多く、進行遅延効果を目的として治療している方が多いです。症状が進行していても治療は可能ですので、気がついたら早めに治療を開始しましょう。
50代
50代になると身体機能の低下によりAGAが発症・進行することがあります。
全体的に薄毛が目立ち、薄毛の範囲が広がります。発毛効果よりも現状維持や進行遅延を治療目的としているケースがほとんどです。
50代からのAGA治療でも症状の改善は可能です。個人差はありますが、治療期間が1年以上になる可能性があります。
60代以降
60代以降のAGAは主に加齢が原因で発症することが多くなり、AGA発症率は50%以上になります。
60代のAGA治療目的は、現状維持や進行遅延がメインとなります。AGA治療に年齢制限はないため、諦めずに医師に相談することをおすすめします。
agaの発症については多くの方が悩みを抱えています。
どのような悩みがあるのか、いつから薄毛を意識するようになったのかなど、意識調査については以下もあわせてご覧ください。
AGA治療(薄毛治療)を知る~ハゲ・薄毛のお悩み・相談特集~
AGAの治療方法
AGAの治療方法は主に以下の4種類です。
- AGA治療薬(内服薬・外用薬)
- 自毛植毛
- メソセラピー
- 毛根再生注射
AGA治療薬(内服薬・外用薬)
AGA治療薬には口から錠剤などを飲む内服薬と、頭皮に薬を直接塗布する外用薬の2種類があります。内服薬は発毛効果が高く、外用薬は副作用が少ないことが特徴的です。
「抜け毛を予防するための薬」と「発毛を促進するための薬」があり、フィナステリドやザガーロ、ミノキシジルなどが有効な成分としてあげられます。
内服薬・外用薬ともに6ヵ月ほどで効果を実感できる方が多く、半年〜1年ほど治療を継続することを推奨しております。
自毛植毛
自毛植毛とは、AGAの影響を受けにくい後頭部と側頭部の自分の毛を採取して、薄毛・抜け毛が気になる箇所に移植するAGA治療です。
重度なAGAにも適応しており、効果は半永久的です。自らの毛を植え替えるため拒絶反応・炎症・感染症リスクが少なく、日本皮膚科学会からも承認されています。
メソセラピー
メソセラピーとは、レーザーと超音波などで薄毛部位に有効な成分を直接浸透させる治療方法です。
発毛スピードと効果が高く、短期間で発毛を実感できます。
AGA治療薬と併用することで、太い毛をたくさん生やし見た目を明らかに改善することが可能です。
毛根再生注射
毛根再生注射とは、自身の健康な毛包組織を採取・粉砕し、これを溶かした懸濁液を治療部位に注入する治療方法です。
毛包組織と毛髪の成長因子を注入することにより、発毛促進と毛髪改善効果が期待できます。
AGA治療は何歳から始めるべき?
AGAは進行性の脱毛症であるため、早期治療が重要となります。抜け毛や薄毛が気になり出したときが治療を開始するよいタイミングです。
クリニックによって異なりますが、AGA治療は一般的に20歳以上が対象となります。男性ホルモンを抑制して効果を得る薬であるため、未成年に処方することができないからです。
年齢制限があるのは治療薬のみで、10代から抜け毛・薄毛に悩んでいる方は自毛植毛やメソセラピーなどの治療を受けることが可能な場合があります。
AGAと年齢の関係性についてまとめ
AGAの発症に年齢は関係なく、20代で発症する人もいます。日本人の3人に1人が発症するといわれており、40代以降で急激に発症率が高くなります。
発症の原因には、遺伝のほかに生活習慣の乱れや強いストレスなどがあげられます。抜け毛や薄毛が気になり出したときが治療を開始するよいタイミングですが、毛根細胞が活性化しているうちは治療効果が高まるため、20代から治療を開始することが推奨されています。
まずは自身のAGA進行レベルや症状を把握しましょう。当クリニックではAGAの専門医がしっかりと話を伺い、現状や今後の治療方法をご説明します。「もっと早く治療を始めていればよかった…」と後悔するまえに、お気軽にご相談ください。