自分では気づきにくい頭頂部の薄毛、それはいわゆるO字ハゲと呼ばれるAGAの症状の一つかもしれません。
この記事では、O字ハゲに悩む方に向けて、O字ハゲの基準や見分け方、原因、具体的な対策までわかりやすく解説します。
O字ハゲとは頭頂部を中心に髪が薄くなる状態
「O字はげ」とは、つむじ周辺の髪が薄くなり、頭頂部がアルファベットのO字に見える脱毛症で、「つむじはげ」や「てっぺんはげ」とも呼ばれます。
特に日本人男性に多く見られる薄毛のタイプで、自分では確認しにくい場所にできるため、他人に指摘されて初めて自覚するケースも少なくありません。その結果、発見が遅れやすく気づいた時には症状が進行していることも多々あります。
O字ハゲの基準
O字ハゲの基準は、頭頂部の地肌がはっきり見えるほど髪が薄くなり、周囲の毛髪と明らかな差がある状態を指します。
日本皮膚科学会のAGA診療ガイドラインでは、ハミルトン・ノーウッド分類のⅡVertex型以降がO字ハゲに該当します。この段階になると、頭頂部を中心に脱毛範囲が徐々に広がっていく傾向にあるのです。
O字ハゲを見分けるセルフチェックポイント
O字ハゲかどうかセルフチェックするには、以下のポイントを確認しましょう。
- つむじ周りの頭皮が透けて見える
- つむじ周りの頭皮が赤っぽい、あるいは茶色っぽい
- つむじ周りの髪の毛の流れがわかりにくい
- 髪にツヤやコシがなく、細くなってきた
これらの項目に当てはまる場合、O字ハゲが進行している可能性があるため、早めの対策が重要です。
O字ハゲの主な原因とは?
O字ハゲにはいくつかの原因が考えられますが、主に男性型脱毛症(AGA)と生活習慣やストレスの影響が大きく関わっています。
男性型脱毛症(AGA)との関連性
O字ハゲの多くはAGAによって引き起こされます。
AGAは前頭部と頭頂部に表れやすい男性脱毛症で、ホルモンの働きや遺伝によって発症しやすく、O字ハゲになりやすいことが特徴です。ジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンが毛根に作用し、ヘアサイクルを乱すことで髪が細く短くなり、最終的に抜け落ちてしまいます。
日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」によるとAGAは日本人男性の約3人に1人(約30%)、30代以降では約30〜40%が発症しているとされています。
AGAの詳細については、以下ページでもご紹介しています。あわせてご覧ください。
AGAの詳細を見る
生活習慣やストレスの影響
AGAの進行には遺伝的要素が強いと言われていますが、生活習慣やストレスも症状を悪化させる要因になります。
食生活の偏り
脂質や糖質中心の食生活は皮脂分泌を増やし、頭皮環境を悪化させます。ビタミンB群や亜鉛など、髪の成長に必要な栄養素が不足することで、さらに抜け毛が増える可能性もあります。
睡眠不足
成長ホルモンの分泌が低下すると、髪の毛の成長にも悪影響が出ます。成長ホルモンは髪の毛の細胞分裂を活発にし、太く健康な毛髪を育てるために不可欠な役割を担っているため、分泌が不足すると細く弱い髪しか生えてこなくなる可能性があります。
特に睡眠の質の低下は、ヘアサイクルを乱し、抜け毛が増える原因です。また、睡眠不足が続くと頭皮の血流も悪化し、毛根に十分な栄養が行き渡らなくなるため、抜け毛の量や細さが顕著に目立つようになります。
ストレスの蓄積
慢性的なストレスは自律神経のバランスを崩し、血行不良を引き起こします。頭皮への血流が不足すると毛根に十分な栄養が届かず、抜け毛の可能性が高まります。
O字ハゲに有効な対策
O字ハゲの進行を少しでも改善するためには、日々のケアと頭皮環境の改善が重要です。
日常生活でできること
ここからは日常生活でできるO字ハゲの対策をご紹介します。
生活習慣の改善
規則正しい生活リズムを心がけ、睡眠時間を確保しましょう。起きる時間と寝る時間を一定に保つことで自律神経が整い、頭皮の血流も安定します。過度な飲酒や喫煙も頭皮環境に悪影響を及ぼすため控えることが大切です。
特に喫煙は血管収縮作用によって毛根への栄養供給を妨げるため、O字ハゲを改善したい場合は禁煙することをおすすめします。
適度な運動
運動によって血流が促進されると、毛根への栄養供給がスムーズになり発毛環境が整います。ウォーキングやストレッチなど軽い運動で十分です。筋トレなど負荷の高い運動も成長ホルモンの分泌を促すため、育毛の効果が期待できます。
質のよい睡眠
髪の成長や頭皮の修復に必要な成長ホルモンは、特定の時間帯に分泌されるのではなく、眠り始めてから約3時間の間に訪れる「最も深い眠り」の際に集中的に分泌されます。そのため、質の高い睡眠を確保することが、健康な髪を育むための土台となるのです。
また、寝る前のスマートフォン使用やカフェイン摂取を控え、ぬるめのお湯での入浴や軽いストレッチでリラックスするなど、副交感神経を優位にして自然な眠りを促す習慣を取り入れましょう。
栄養バランスの取れた食事
タンパク質、ビタミンB群、亜鉛、鉄分など髪の毛の材料となる栄養素を意識的に摂取しましょう。例として、赤身肉、魚、大豆製品、卵、ナッツ類などが挙げられます。緑黄色野菜に含まれるビタミンCは鉄分の吸収率を高めるため、鉄分と合わせて摂ることがおすすめです。
頭皮環境の改善とヘアケア
頭皮ケアとマッサージについてもご紹介します。
頭皮マッサージ
頭皮マッサージをすることで血行が促進され、毛根に栄養が届きやすくなります。指の腹で優しく円を描くようにマッサージするのがポイントです。
シャンプー中やドライヤー前後に取り入れるとリラックス効果も高く、頭皮の柔軟性が増して髪が育ちやすい環境になります。
育毛剤・養毛剤・発毛剤
市販の育毛剤や養毛剤は、頭皮環境の改善や髪の成長を助ける成分が含まれています。
ただし、AGAが原因の場合は発毛成分(ミノキシジルなど)が配合された発毛剤や医薬品の使用が必要になることが多いため、クリニックの受診が必要です。
正しいヘアケア
シャンプーは1日1回、優しく頭皮を洗うことが大切です。ゴシゴシ洗いや熱すぎるお湯は頭皮に刺激を与え、皮脂を取りすぎて乾燥を招く恐れがあります。
さらに、シャンプー後はしっかりタオルドライをしてからドライヤーで乾かし、頭皮に雑菌が繁殖しないようにケアすることも大切です。
進行するO字ハゲはどうにもできない?AGAクリニックでの治療
O字ハゲが進行している場合、セルフケアだけでは改善が難しいことがあります。その場合はAGA専門クリニックでの治療が有効です。
AGA専門クリニックでの治療を受けるには
医師の診断
まずは専門医による診断を受けることが重要です。頭皮状態や脱毛の進行度をマイクロスコープで確認し、原因を特定します。
医薬品による治療
AGA治療では、DHTの生成を抑制するフィナステリドやデュタステリド、発毛を促すミノキシジルなどの医薬品が使用されます。ファーストチョイスとしては進行を止めるフィナステリドをはじめとした治療薬の服用が一般的です。
植毛(自毛植毛)やメソセラピー
進行が進んでいる場合や治療薬だけで効果が見られない場合は、自毛植毛やメソセラピーといった外科的治療を検討することもあります。自毛植毛は自分の後頭部の髪を薄毛部分に移植するため拒絶反応がなく、定着率も高いのが特徴です。
早期受診の重要性
AGAは進行性の病気です。早い段階から治療することで、進行を食い止められるだけでなく、治療が完了するまでにかかる期間や治療費を抑えられます。症状に気付いたら、なるべく早めに専門クリニックに相談することをおすすめします。
まとめ:O字ハゲは早期の対策とAGA治療専門医への相談がカギ
O字ハゲはAGAによって引き起こされることが多く、進行性のため放置するほど改善が難しくなります。日常生活でできるケアを徹底するとともに、症状が進んでいる場合はAGA専門クリニックで医師の診断を受け、適切な治療を開始することが重要です。早期対策で、髪の悩みを改善しましょう。