日頃、あまり運動できていないという方は多いのではないでしょうか。実は、運動不足はAGAに悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、薄毛にお悩みの方は積極的に運動習慣を心がけることがおすすめです。
今回は、運動とAGAの関係について解説し、AGA改善に効果的な運動の仕方についてご紹介します。
運動不足はなぜAGA(薄毛)に悪影響なのか
運動不足がAGAを進行させる理由として、大きく3つ挙げられます。
- 血行不良による栄養不足
- ホルモンバランスの乱れ
- ストレス
1つ目は、血行不良による頭皮の栄養不足です。
健康な髪の毛が成長するためには、頭皮に血行が行き渡り、毛根に十分な酸素と栄養が届けられる必要があります。運動不足で全身の血行が悪くなると、毛根に栄養が行き届かなくなり、その結果薄毛が進行するおそれがあります。
2つ目は、ホルモンバランスの乱れです。
AGAの原因の1つに、男性ホルモンの一種「DHT(ジヒドロテストステロン)」があります。
DHTは毛母細胞のはたらきを阻害し、薄毛を進行させるといわれています。
運動不足でホルモンバランスが崩れ、DHTが増加することにより、薄毛のリスクが高まります。
DHT(ジヒドロテストステロン)については以下の記事もあわせてご覧ください。
男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)とは?減らす方法やM字ハゲ・AGAとの関連性についても紹介 >
3つ目は、ストレスです。
適度な運動は気分転換になり、ストレス発散になります。
運動不足の人はストレスを溜めやすい傾向にありますが、ストレスは自律神経やホルモンバランスが崩れる原因となり、薄毛が進行しやすくなってしまいます。
有酸素運動がもたらすAGA改善への効果
AGAを改善するために、有酸素運動をおこなうのがおすすめです。
有酸素運動は、酸素を利用して筋肉を動かす運動のことで、具体的にはウォーキングやジョギング、水泳、サイクリングなどが挙げられます。
有酸素運動がもたらすAGA改善への効果として、次のようなものがあります。
頭皮の血行促進
有酸素運動をおこなうと、全身の血行がよくなります。頭皮の血行も促進され、毛根へ十分な酸素と栄養素が行き渡るようになるため、AGAの改善が期待できます。
血流がスムーズになると、血管が活性化されて強くなるともいわれています。有酸素運動を継続すると血管が強化され、頭皮の血液循環が良好な状態を保つことができます。
老廃物の排出
頭皮の血行が促進されると、老廃物も排出されやすくなります。
頭皮の皮脂や汗といった老廃物は、蓄積されると毛穴に詰まって炎症を引き起こし、抜け毛・薄毛の原因となります。
有酸素運動で老廃物がしっかり排出されると、AGAの改善が期待できます。
ストレス解消
有酸素運動はストレス解消に適した運動です。
有酸素運動では副交感神経が優位なリラックス状態になり、気持ちが安定しやすくなります。
また、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンが分泌され、ポジティブな気持ちになるといわれています。
このように有酸素運動はAGAの原因となる血行不良やストレスを解消するため、習慣化することで薄毛の改善が望めます。
なお、厚生労働省は運動習慣の目標として、息が少しはずむ程度の運動を1回30分以上、週2回以上実施し、1年以上継続することを掲げています。
また、成人男性の1日の歩数目標を、9,200歩と定めています。
出典:身体活動・運動|厚生労働省
運動習慣を身につけ、AGAの改善を目指しましょう。
AGAを意識した有酸素運動をおこなったあとの注意点
AGA改善のために有酸素運動をおこなうときは、次の点に注意してください。
強い運動負荷に注意
激しい運動をすると呼吸量が増え、活性酸素が発生します。
活性酸素は本来、体内の免疫機能や感染防御としてはたらきますが、過剰に生成されると正常な細胞や遺伝子まで攻撃してしまいます。髪の毛の生成にも悪影響を及ぼす可能性があるため、活性酸素が過剰に発生するほどの強い運動は避けましょう。
前述したような、息が少しはずむ程度の運動がおすすめです。
運動後の頭皮ケアを忘れずに
有酸素運動で老廃物が排出されやすくなると説明しましたが、運動で汗をかいたあとにそのまま放置していると、雑菌が増えて頭皮環境の悪化につながります。
運動後は、頭皮の汗をよく拭き取る、シャワーを浴びるなどして頭皮を清潔に保ちましょう。
なお、1日に何度もシャンプーを使って洗髪すると、頭皮が乾燥して抜け毛を引き起こしやすくなってしまいます。シャンプーは1日1回にとどめ、運動後はお湯だけで汗を洗い流すのがおすすめです。
シャワー後に頭皮用の保湿剤を使ってケアをするのもよいでしょう。
適切なタイミングで食事を摂る
有酸素運動後は筋肉の修復や疲労回復のため、45分以内に食事を摂るのがおすすめです。この時間帯は、食事から摂取した栄養が体内に吸収されやすいといわれています。
運動後、特に意識して摂取したい栄養素は次のとおりです。
栄養素 | 目的 |
---|---|
タンパク質 | 筋肉を修復する |
アミノ酸 | 疲労回復を促す |
ミネラル | 汗で失った分を補う |
なお、脂質はタンパク質の消化吸収を阻害するため、有酸素運動後に脂っぽい食事は避けたほうがよいでしょう。
AGAを改善するなら普段の生活習慣から見直そう
ここまで、AGAの改善のために運動をおこなうことについて説明してきました。
AGAを改善するには、運動以外にも普段の生活習慣の見直しが必要です。
ここからは、AGA改善に向けた生活習慣のポイントをご紹介します。
食事
AGA改善のためには、栄養バランスのよい食事を心がけるのが基本です。
特に、摂るべき栄養と控えるべき栄養を意識することが大切です。
まず、AGA改善のために摂取したい栄養素は、次のとおりです。
栄養素 | 主な食材 |
---|---|
タンパク質 | 肉、魚、乳製品、大豆製品 |
亜鉛 | 牡蠣、卵、ナッツ類 |
ビタミンC | 野菜、果物 |
ビタミンB群 | 豚肉、レバー、青魚、アーモンド |
髪の毛の材料となります。肉ばかりに偏ることなく、さまざまな食材からバランスよくタンパク質を摂取しましょう。
タンパク質の一種で髪の主成分「ケラチン」を合成します。亜鉛は特に不足しやすい栄養素のため、サプリメントから摂取するのもおすすめです。
コラーゲンの生成を助け、強い髪を作ります。亜鉛の吸収率を高めます。
過剰な皮脂分泌を抑制し、頭皮環境を正常に保つのに役立ちます。
続いて、AGA改善のために控えたい栄養素は糖質です。
白米やパン、菓子類、スナック、ビール、日本酒など、糖質の多い食品は過剰に摂取しないよう注意しましょう。
糖質を過剰摂取すると、余った糖質が体内のタンパク質と結びつく「糖化」が起こります。髪の毛や頭皮で糖化が起こるとタンパク質が劣化し、薄毛につながる原因となります。
また、糖化は血管を劣化させて血流にも悪影響を及ぼします。
以上の理由から、糖質の過剰摂取を抑え、糖化を防ぐことがAGAの改善につながります。
睡眠
健康な髪の育成には、睡眠中に分泌される成長ホルモンが関わっています。
そのため、質のよい睡眠を十分に取ることがAGA改善につながります。
質のよい睡眠のためには、毎日なるべく同じ時刻に就寝・起床して生活リズムを正すことが大切です。
その他、日中の過ごし方と就寝前の過ごし方によって、睡眠の質が左右されます。
睡眠の質を上げる日中の過ごし方は以下の通りです。
また、睡眠の質を上げる就寝前の過ごし方には以下のような方法があります。
- 就寝4時間前からカフェインを控える
- 食事は就寝3時間前までに済ませる
- 入浴は就寝1時間前頃、ぬるめのお湯に浸かる
- スマートフォンなどの強い光を避ける
ストレス
過剰なストレスは、薄毛を進行させる原因となります。
ストレスは自律神経の乱れによる血行不良を引き起こすほか、活性酸素を発生させるためです。
AGA改善のためには、ストレスにうまく対処する必要があります。
具体的には、自分に合ったストレス解消方法を複数用意する、ストレスを受け流せるようにするといった方法が挙げられます。
AGAの根本治療はクリニックでの治療が必要
運動や生活習慣の見直しによってAGAの進行を遅らせることはできるものの、セルフケアによる根本的なAGA改善は難しいといえます。
AGAを根本的に改善するなら、専門クリニックで医学的根拠に基づいた治療を受け、そのうえでセルフケアをおこなうことがおすすめです。湘南AGAクリニックでは、専門医が患者さま一人ひとりに合わせて最適なAGA治療を提案いたします。
ぜひこの機会に、運動によるAGA改善と併せて、専門治療を受けてみてはいかがでしょうか。