プロペシアの服用で視力低下の起こるようなことは考えにくいです
プロペシアを服用することによって、視力の低下が起こるようなことは考えにくいです。というのもプロペシアの副作用で目に関するものは報告されていないからです。
プロペシアはAGA(Androgenetic Alopecia:男性型脱毛症)の治療薬として、よく知られています。日本皮膚科学会の策定する「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」によれば、男性型脱毛症は思春期以降に見られる進行性の脱毛症と定義されています。
プロペシアの有効成分であるフィナステリドは、厚生労働省によって「発毛効果がある」と認められている成分です。副作用には男性機能の低下などがありますが、視力の低下はあげられていません。
プロペシアの服用が原因で視力低下の起こることないです
プロペシアの服用を開始したことが原因となって、視力の低下が起こるようなことはありません。プロペシアの有効成分であるフィナステリドには、抜け毛のリスクファクターとなるジヒドロテストステロンの産生を抑制し、抜け毛を予防する効果が期待されています。
ジヒドロテストステロンは男性ホルモンであるテストステロンがより強力になったもので、アンドロゲンレセプターと結合することで抜け毛を誘発するということです。
テストステロンがジヒドロテストステロンへと変化する際、触媒としての働きをするのが5α-リダクターゼと呼ばれる変換酵素です。
プロペシアの主成分であるフィナステリドには、5α-リダクターゼの働きを阻害する効果があるため、ジヒドロテストステロンの産生を抑制し、抜け毛を予防することが可能となるのです。
ある意味、プロペシアは男性ホルモンに働きかける医薬品だということができますが、視神経や目の周りの筋肉に働きかけるようなことはありません。そのためプロペシアの服用を開始したからと言って、視力が低下することは考えにくいのです。
プロペシアの服用中に視力が低下したら原因はほかにあります
プロペシアの服用を開始してから視力が低下したというのであれば、その原因はプロペシア以外のところに求めるのが合理的と言えそうです。視力が低下する原因について、いまだにはっきりとしたことは分かっていないのですが、有力な説として遺伝、および近くを見過ぎることがあげられています。
ただし近くを見ることで視力が低下するという説に対しては、批判的な医師もいるということです。近視は大きく分けると軸性近視と屈折性近視の2タイプに分類することが可能です。
私たちが一般的に近視といった場合、それは軸性近視を指すケースがほとんどです。軸性近視になると眼軸が縦に伸びてしまい、遠くのものが網膜に映らなくなってしまいます。
屈折性近視は眼の中にある水晶体という組織が膨らむことによって、遠くのものが見えなくなるタイプの近視です。水晶体が膨らんでしまう原因としては、近くのものを長時間にわたって見過ぎるなどといったことがあげられています。
視力回復センターなどで回復するのは屈折性近視の方で、軸性近視は基本的に治らないということです。
プロペシアの主な副作用は男性機能の低下です
プロペシアのような化学的に製造された医薬品には必ず副作用のリスクがあります。ではプロペシアの主な副作用は何なのかというと、それは男性機能の低下です。
プロペシアの国内販売元であるMSD社によると、プロペシアを服用した人の1%から5%未満に性欲の減退が見られ、1%未満の人に勃起機能不全や射精障害、精液量の減少が見られたということです。またパーセンテージこそ高くないものの、血管性浮腫が現れたり、抑うつ状態になったりする可能性もあります。
ただプロペシアは用法・用量を守って正しく服用すれば、それほど危険性のある薬ではないということです。その他、重要な副作用として肝機能障害のリスクが報告されています。
そのためプロペシアは通信販売などで購入するのではなく、医師の診察を受けた上で処方してもらうことが重要です。外国産のプロペシアのジェネリック(後発医薬品)は安価で購入することが可能ですが、副作用が起こった場合それは自己責任ということになってしまいます。
(まとめ)プロペシアが視力に影響を及ぼすことはある?
プロペシアを服用することによって、視力の低下が起こるようなことは考えにくいです。プロペシアの添付文書には副作用として男性機能の低下や肝機能障害の危険性のある旨が書かれていますが、視力に関してはなにも触れられていません。
プロペシアの有効成分であるフィナステリドには5α-リダクターゼの働きを阻害する効果があるため、抜け毛のリスクファクターであるジヒドロテストステロンの産生を妨げます。ただ視神経や視力になんら関与するものではありません。
プロペシアの服用を開始してから視力が低下した場合、軸性近視や屈折性近視になっている可能性があります。軸性近視は基本的に治りませんが、屈折性近視は治療によって回復可能です。
もし視力の低下を感じたら、速やかに眼科を受診しましょう。
プロペシアのように化学的に製造された医薬品には必ず副作用があります。プロペシアの主な副作用は男性機能の低下ですが、肝機能障害のリスクもあるということなので、必ず医師の指導下で服用するようにしましょう。