AGA治療薬のフィナステリドは薄毛改善には欠かせない成分ですが、効果が得られない人や場合はあるのでしょうか。ここではフィナステリドの効果はもちろん、効果が無いとされる場合に何が要因なのか、またその他のAGA治療方法についてご紹介します。

AGA治療をおこなう多くの人はAGA治療薬を使用しています

AGAの治療を受けている人の多くは、AGA治療薬を使用しています。
これらの薬は、抜け毛を改善し、さらなる抜け毛が発生するのを防ぎます。ただし、効果が出るまでは時間を要することもあり、効果が無いと感じてしまう方も多いようです。そこでまずは、一般的なAGA治療薬「フィナステリド」「デュタステリド」「ミノキシジル」の概要を簡単にご紹介します。

フィナステリド

フィナステリドは男性型脱毛症および、もともとは前立腺肥大症の治療に使用されている経緯のあるお薬です。

1992年に米国で前立腺肥大の治療薬として認可されましたが、その後の研究によって男性型脱毛症(つまりAGA)においても脱毛抑制効果があるということが認められ、現在ではプロペシアという商品名でも知られています。
フィナステリドの詳細については下記よりご覧ください。
プロペシア(フィナステリド)の効果と副作用|湘南AGAクリニックの薄毛治療・自毛植毛

デュタステリド

デュタステリドAGAの進行に影響する悪玉ホルモン「DHT」の生成を阻害するお薬です。

日本では厚生労働省が2009年にまず前立腺肥大症治療薬として承認を出したあと、2015年にはAGA治療薬としての承認も行い、今日に至ります。
当院でもデュタステリド(商品名としてはザガーロが有名です)を用いたAGA治療を承っております。
AGA(薄毛)治療薬ザガーロとは|湘南AGAクリニックの薄毛治療・自毛植毛

ミノキシジル

ミノキシジルは、血管を広げ、毛根への血流を増加させることでAGAに作用すると考えられています。この増加した血流は、毛根に栄養を与え、髪の成長を刺激・促進することができます。

さらに、ミノキシジルは、毛根を刺激して新しい毛髪を生成する可能性も期待されており、局所用と経口用の両方が用意されています。

半年を経過してもAGA治療薬(フィナステリドなど)が効かない人自体は非常に少ないです

結論から言えば、AGA治療においてフィナステリドなどのAGA治療薬が効かない・効果が見られないといった人自体は非常にその数が少ない、というのが実際のところです。

フィナステリドには男性型脱毛症の原因である5α-リダクターゼの働きを阻害する働きがあります。男性型脱毛症は5α-リダクターゼの働きが活発になることによって起こるため、ただしく原因が合致して薄毛が進行しているのであれば、ほぼすべての人にフィナステリドは有効と言えるでしょう。

そしてフィナステリドなどのAGA治療薬が効かない・効果がなかなか出てこない原因として、治療期間、投与方法、薬剤の入手方法などが関係していることがほとんどです。

また、AGA治療薬による治療は一般的に半年以上の長期間の使用が必要なため、一朝一夕のものではないということも重要な要素でしょう。

これらの具体的な原因については、次章で詳しく説明します。

AGA治療薬が効かない原因

フィナステリドをはじめとするAGA治療薬が効かない・効果が出ない原因(理由)としては以下の原因があげられます。

治療を開始して間もない

AGA治療薬が効かない原因として考えられるのは、薄毛治療が始まってまだ間もない状況であり、そもそも効果が発現するまでも期間を経過していない可能性があります。

AGA治療薬によるAGA治療には、効果が出るまでに一定の時間がかかります。
というのも通常、男性のヘアサイクルは約3〜5年かけて成長期や退行期などを繰り返しますが、AGAを発症した場合は半年〜1年と大幅に短くなるため、ヘアサイクルを正常に戻すには時間がかかります。

効果を実感するまでの期間は最短でも約2〜3ヶ月、平均的には半年以上かかるのが一般的であり、短期間での治療では効果が感じられません。

初期脱毛で一時的に毛が抜け落ちている

AGA治療薬の効果が得られないと感じる理由として、初期脱毛による一時的な抜け毛が起きている可能性もあります。

治療初期の数週間の間に起こる抜け毛は「初期脱毛」と呼ばれ、脱毛の過程では当たり前のことです。
これはヘアサイクルを正常に戻すための調整期間のようなもので、治療が効いている証でもあります。フィナステリドをはじめとしたAGA治療薬の服用において、ほとんどの方に現れる症状です。

また、通常2ヶ月ほどで初期脱毛の期間が過ぎ毛が生えてきます。「悪化した」と服用を止めてしまうのではなく、安心して服用を継続することが重要です。
よって、治療に携わる者からすれば「治療開始後に毛が抜けました」と言われるのは効果が出ている(少なくともお薬が正常に作用していると考えられる)シグナルの一種ですから、想定のとおりで治療が進んでいると考えてしまいます。

しかし、やはり治療に取り組まれている方からすれば、初期脱毛が不安で効果がないと考えてしまうことは当然でしょう。
この考え方の差で治療に当たる医師と治療を受けられておられる方の信頼関係が崩れてしまい、結果的に薬の使用を中止されてしまうケースもあるため、湘南AGAクリニックでは都度、丁寧にご説明するよう心がけています。

AGA治療での初期脱毛についての詳細は下記コラムで掲載していますのでこちらも併せてご覧ください。
AGA治療薬フィナステリドの副作用である初期脱毛とは?原因や服用時の注意点を解説

正しく服用していない

そもそもAGA治療薬は「お薬」です。よってその服用は、説明に沿って行って頂くことが大切です。
正しく服用できていないと、薬の効果が十分に得られない可能性があります。

例えばフィナステリドは1日1回1錠、なるべく決まった時間に毎日継続して服用することが大切です。
24時間以上空いてしまったり、飲み忘れが続いてしまうと十分に効果が発揮されません。
医師の指導に基づき、正しく服用しましょう。

また、最近はネットで輸入代行サイトや海外通販などをつかって独自にフィナステリドを入手し、服用するという方もいらっしゃいます。

こうした方法でフィナステリドを入手された場合、まず正規ルートで流通しているフィナステリドかどうかの判断ができず、また仮に海外で正規ルートにて流通していたフィナステリドであっても薬が古くなっている、保管状況が悪いなどの諸条件が重なり、正規の効果が得られない可能性があります。

これは大変危険な行為であり、またそもそもAGA治療の効果も期待できないことがあります。

治療の開始が遅い

AGA治療薬が効かない原因として、治療の開始時期が遅かったということも考えられます。

AGAは進行型の脱毛症であるため、発症してすぐに治療を開始しないと、回復に時間がかかります。そのため、治療を始めても効果がないと感じてしまうでしょう。

治療を早く始めれば、それだけ効果も実感しやすくなるため、薄毛が気になり始めた時点で、早期に治療を開始することが重要です。

半年経たずに効果を感じず自己判断で治療を中断した

自己判断で治療を中断すると、抜け毛が続いてAGA治療薬の効果が得られなくなる可能性があります。

効果を実感するためには、医師の指導通りに治療を継続することが大切です。自己判断で内服を中断せず、継続するようにしましょう。また、効果や副作用に不安を感じた方は、まず医師に相談することをおすすめします。

AGA治療薬(フィナステリド)が効かない人はそもそもAGAではない可能性がある

フィナステリドが効かない方は、その抜け毛・薄毛の原因がAGA(男性型脱毛症)ではないのかもしれません。

フィナステリドは男性型脱毛症の治療薬に含まれる有効成分なので、男性型脱毛症以外の脱毛症には効果がありません。
ではどのような脱毛症の場合フィナステリドの効果がないのかというと、たとえば円形脱毛症があげられます。円形脱毛症はストレスが原因だと考えられがちですが、実は自己免疫疾患の一種です。

自己免疫疾患はなんらかの要因で自分の免疫細胞が自分の身体を攻撃してまう疾患です。ただし円形脱毛症が自己免疫疾患だということはわかっていますが、その原因についてはいまだにわかっていません。

そのほかにも、皮脂の過剰分泌が原因で頭皮がべたつき抜け毛が進行してしまう「脂漏性脱毛症」や、血行不良によって髪の成長が妨げられる「牽引性脱毛症」などがあります。
これらには5α-リダクターゼの働きが関与していないため、AGA治療薬(フィナステリド)が効きません。

フィナステリドの効果で98%から99%のAGAが改善できます

フィナステリド製剤(プロペシアなど)を継続的に服用した場合、98%から99%にAGAの改善効果が期待できるということです。また、フィナステリドと同じく発毛効果が国から認められているミノキシジルの場合、90%に男性型脱毛症の改善効果が見られるとされており、この両者の発毛効果は極めて優秀とされています。

フィナステリドを摂取するとすぐに髪の毛が生えてくるという訳ではありませんが、半年ほど摂取を続けると徐々にその効果が安定してきます。また2年ほど継続して摂取すれば、99%に男性型脱毛症の改善効果が見られます。

つまりフィナステリドが効かない人は、全体の1%しかおらず、フィナステリドを摂取すれば、ほぼすべての人に男性型脱毛症の改善効果が期待できるのです。

AGAなのにフィナステリドが効かない場合はほかの要因があります


AGAを発症しているのにフィナステリドが効かないような場合、薄毛を進行させるほかの要因が潜んでいる可能性もあります。薄毛というと遺伝が原因だと考えられがちですが、実は遺伝が原因で薄毛になるのは、薄毛全体でみた場合25%に過ぎません。

つまり薄毛の人の4人に3人は、遺伝以外の要因によって薄毛になっているということです。遺伝以外の要因としては食習慣や運動習慣、ストレスの存在などがあげられています。

厚生労働省によって「発毛効果がある」と認められているのは、フィナステリドとミノキシジル、そしてデュタステリドの3つだけです。ただしフィナステリドもミノキシジルもデュタステリドも、髪の毛を生えさせる魔法の薬ではありません。

あくまでも髪の毛が生えるための環境を整えるための医薬品です。フィナステリドを摂取しているからと言って、食習慣が乱れていたり、ストレス状態が続いたりすれば、フィナステリドの効果は減少してしまうのです。

フィナステリドの効果を早く実感できる人の特徴

AGA治療において、フィナステリドの効果を早く実感する・できる人の特徴についてご紹介します。

使用している治療薬の種類や、AGA発症後すぐに治療を開始したかどうかなどの要素を探っていきます。AGA治療におけるフィナステリドの効果について、ぜひ読み進めてください。

AGAを発症してすぐに治療を開始した

フィナステリドの効果を早く実感する人の特徴としてまず「AGA発症後すぐに治療を開始した」というものがあります。

早期に治療を行うことで、症状の進行を遅らせたり、まだ健康な髪を残したりすることができる場合もあります。
薄毛が気になる方は、できるだけ早く医師に相談し、治療法を検討することが大切です。

内服薬や外用薬、そのほかAGA治療法を併用している

内服薬や外用薬、そのほかAGA治療法を併用している場合も効果を早く実感しやすくなります。
AGA治療では、脱毛を予防する効果のある内服薬と、発毛を促進する外用薬を併用することで、治療効果がより高まります。

また、さらに早く効果を実感するためには、内服薬や外用薬に加え、他のAGA治療も併用することが推奨されています。
こういった追加治療には、毛髪再生メソセラピーやダブルマトリックスといった、様々な取り組みも含まれます。多様な治療がある中でどれを選択するべきか迷ってしまうこともあるでしょう。そのため、医師とのカウンセリングで適切な治療方法を選択することが効果を早く実感するカギとなります。

AGA治療薬以外のAGA治療

先ほどご紹介した毛髪再生メソセラピーやダブルマトリックスなど、AGA治療薬を内服する以外にも、AGA治療の方法はあります。
ここでは以下の4つの治療方法について解説します。

  • 外用薬
  • 毛髪再生メソセラピー
  • ダブルマトリックス
  • 自毛植毛

外用薬

外用薬を使用する方法があります。具体的には以下のような外用薬があり、それぞれ効果や副作用があります。

外用薬の種類 有効成分 効果 副作用
プロペシア フィナステリド 抜け毛の進行抑止 肝機能低下

男性機能低下

意欲・性欲減退
ザガーロ デュタステリド 抜け毛の進行抑止
ミノキシジル ミノキシジル 発毛効果

抜け毛の進行予防
体毛が濃くなる

むくみ

湘南AGAクリニックではフィナステリドとミノキシジルを配合したオリジナル治療薬「HRアクアスプレー」をご用意しています。詳細はこちらからご確認ください。
AGA・薄毛の内服薬・外用薬(薄毛薬)|湘南AGAクリニックの薄毛治療・自毛植毛

毛髪再生メソセラピー

毛髪再生メソセラピーは、レーザーや超音波を使い、発毛に必要な成分を浸透させる治療法です。
簡単に言えば髪を急速に増やすことがこの方法の主旨であり、短期間で効果を実感できる方も多いです。

治療においてはやや痛みがありますが、多少チクチクする程度であり、耐えられない痛みではありません。また、筋肉痛のような痛みや赤み、内出血などが出ることもありますが、これも一般的な副作用やダウンタイムのようなもので、特殊・特異なものではありません。また日常生活にも影響は無く、約1週間程度で解消していきます。

当院でのAGA毛髪再生メソセラピー治療については、こちらから詳細をご確認いただけます。
AGA(薄毛)治療と合わせる毛髪再生メソセラピー|湘南AGAクリニックの薄毛治療・自毛植毛

ダブルマトリックス

ダブルマトリックスは、皮膚の表皮のしたにある真皮と毛乳頭細も含めた皮下組織を採取します。(これにより、二種類の幹細胞を使うという意味が込められています)その後、患者様自身の健康な毛包組織を採取、専用の粉砕機で小さく粉砕し、これを溶かした懸濁液(けんだくえき)を対象の治療部位に注入または散布する治療方法です。

真皮にある繊維芽細胞は、肌を構成するヒアルロン酸やエラスチン・コラーゲンなどを生み出し、真皮を再生する力があります。これをAGA治療に転用するという考え方に基づく治療方法です。

当院でのAGAダブルマトリックス治療については、こちらから詳細をご確認いただけます。
ダブルマトリックス|湘南AGAクリニックの薄毛治療・自毛植毛

自毛植毛

自毛植毛は、頭皮のある部分(通常は後頭部や側頭部)から毛髪を採取し、まだ毛髪を作る能力のある皮膚組織とともに、脱毛に悩む頭皮の部分に移植する外科的治療です。
この方法は、基本的に患部の発毛を回復させることができるため、AGAの有効な治療法となります。

また、そもそも皮膚組織ごと移植するため、移植された毛髪はDHTの影響を受けにくく、効果的な発毛が期待できます。これにより、AGAによる薄毛に悩む方の症状を緩和することが期待できます。

当院で自毛植毛についての詳細は、以下を御覧ください。
自毛植毛|湘南AGAクリニックの薄毛治療・自毛植毛

(まとめ)AGA治療薬のフィナステリドで効果がない人や場合ってあるの?

「AGA治療薬のフィナステリドで効果がない人や場合ってあるの?」というテーマについて解説してきました。以下で今回の内容をおさらいしましょう。

フィナステリドが効かない人自体は非常に少ないです

フィナステリドなどのAGA治療薬が効かない人は少ないといってよいでしょう。
効果がなかなか出てこない原因として、治療期間、投与方法、薬剤の入手方法などが関係していると考えられます。

また、フィナステリドの服用効果は一朝一夕のものではなく、半年以上継続が大切です。

フィナステリドの効果 98%から99%のAGAが改善できます

フィナステリドは男性型脱毛症の治療に使用される5αリダクターゼ阻害剤です。
フィナステリドを継続して服用した場合、98%から99%のAGA改善効果が期待できます。

なお、フィナステリドはこうしたAGAの改善効果が期待できる一方、治療中止すると効果は元に戻る可能性もあります。

フィナステリドが効かない原因

AGA治療薬であるフィナステリドが効かない・効果が出ない原因についてはいくつか考えられます。
例えば薄毛治療が始まってまだ間もない状況であり、その効果が発現するまでも期間を経過していないケースが代表的です。

自己判断で内服を中断せず、継続することが重要となるでしょう。

AGAなのにフィナステリドが効かない場合はほかの要因があります

AGAなのにフィナステリドが効かない場合はほかの要因がありますが、こちらについては個別に診察・ケアが必要です。詳しくは医師にご相談ください。

フィナステリドの効果を早く実感できる人の特徴

AGA治療において、フィナステリドの効果を早く実感できる人の特徴は「すぐに治療を開始していること」、「他の治療法も実践していること」が挙げられます。

薄毛が気になる人は、できるだけ早く医師に相談し、治療法を検討することが大切です。内服薬や外用薬に加え、他のAGA治療も併用することが推奨されています。

フィナステリド以外のAGA治療

AGA治療薬「フィナステリド」以外のAGA治療の方法もご紹介しました。

レーザーや超音波を使い、発毛に必要な成分を浸透させるメソセラピーや、頭皮のある部分から毛髪を採取し、脱毛に悩む頭皮の部分に移植する自毛植毛も有効な方法です。

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監修医情報

斎藤医師

湘南AGAクリニック
新宿本院院長 斎藤医師

経歴

  • 1994年三重大学医学部卒業
    同付属病院脳神経外科入局
  • 2001年大手美容外科勤務、院長職
  • 2009年湘南美容外科クリニック勤務
  • 2016年湘南AGAクリニック大阪院勤務
  • 2023年湘南AGAクリニック新宿本院勤務

運営者情報

運営クリニック 湘南AGAクリニック 新宿本院
住所 〒160-0023
東京都新宿区西新宿6丁目3番1号 新宿アイランドウイング7階
お問い合わせ 0120-548-911
院長 斎藤 浩一医師