プロペシアの服用で中性脂肪が増えるケースは稀です
プロペシアを服用することで中性脂肪の増加がみられると報告しているAGA専門の治療院もありますが、全体的にみると極めて稀なケースであるようです。
プロペシアはAGA（男性型脱毛症）の治療薬としてパイオニア的な存在ですが、販売元であるMSDの添付文書には中性脂肪の増加といった副作用は載せられていません。
プロペシアには厚生労働省によって「発毛効果がある」と認められたフィナステリドが配合されていますが、おもな副作用としては男性機能の低下があげられています。
また国内での発症例はないようですが、海外では肝機能障害も稀にですが見られるということです。
中性脂肪が増えるメカニズムとプロペシアは関係性が薄いと言えます
男性型脱毛症（AGA：Androgenetic Alopecia）を専門としているクリニックの中には、プロペシアを服用することで中性脂肪が増すケースもあると説明しています。ただその場合であっても、頻度は極めて稀だということを覚えてきましょう。
中性脂肪とは簡単にいうとお腹の皮下に付いた脂肪のことを指します。中性脂肪は別名をトリグリセリドと言い、脂肪組織を総称する体脂肪のもととなるものです。
中性脂肪というと贅肉として嫌われがちですが、実は私たちが生きていく上で欠かせないものでもあります。中性脂肪には糖質が不足したときに、身体を動かすためのエネルギー源になるという特徴があります。
また外気が冷たい時に身体から熱が奪われないように守ってくれるのも中性脂肪の働きです。その他にも、転倒時の衝撃から身体を守ってくれる働きもあります。
ただし中性脂肪が増えすぎると、善玉コレステロールが減少して悪玉コレステロールが増加し、脂質異常症（高脂血症）を発症するリスクが高くなります。
また狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患、肥満症や糖尿病、動脈硬化や脳梗塞のリスクも高くなります。
基本的に中性脂肪は余剰な糖質が形を変えたものです。そのためプロペシアの服用を開始したからと言って、中性脂肪が増えるということは考えにくいのです。
プロペシアは抜け毛予防のために服用するものです
プロペシアによって期待できる効果は、抜け毛の予防です。抜け毛の要因は実にさまざまですが、その1つとしてヘアサイクルの乱れがあげられています。
ヘアサイクルとは髪のが生えてから抜け落ちるまでの周期のことです。通常は4年から6年かけて髪の毛が生え換わりますが、髪の毛1本1本につきヘアサイクルは異なっているため、すべての髪が同時に抜け落ちるようなことはありません。
ところがなんらかの原因によってヘアサイクルが乱されると、髪の毛が成長しきらないうちに抜け落ちることとなってしまうのです。その原因の1つが有害なサイトカインの一種である「TGF-β」です。
TGF-βは退行期誘発因子とも呼ばれており、髪の毛の成長期を短縮し、抜け毛を早めてしまいます。そのような毛穴が増えることで抜け毛の量が増え、薄毛が目立つ結果となるのです。
プロペシアの有効成分であるフィナステリドには、男性ホルモンのアプローチしてTGF-βの産生を妨げる効果があります。そのため抜け毛の量を減らすことが可能となっているのです。
プロペシア服用中に中性脂肪が増えたら生活習慣を振り返ることが重要です
プロペシアを服用中に中性脂肪が増えるケースもあるということですが、プロペシアだけが原因となっているケースは極めて稀です。そのためプロペシアの服用中に中性脂肪が増えたら、生活習慣を振り返ることが重要となります。
まず中性脂肪の最大の原因である糖質（炭水化物）の摂取量を見直しましょう。
糖質は私たちの脳や身体が働く際にエネルギー源となるものですが、摂りすぎてしまうと分解しきれずに中性脂肪となって体内に蓄えられます。
またアルコールを過剰に摂取すると、中性脂肪の合成が促進されることも分かっています。お酒が好きな人は1週間に1度、48時間以上の休肝日を設けるか、禁酒にチャレンジしましょう。
ほかにも間食の習慣がある人は要注意です。なぜなら糖質の過剰摂取だけでなく、血糖値の急上昇も中性脂肪が付着する原因の1つとされているからです。
糖質を摂取する前にはなるべく食物繊維を取るようにして、糖質の吸収を妨げましょう。どうしても甘いものが食べたい場合は、洋菓子よりも和菓子を選択するのがおすすめです。
（まとめ）プロペシアを飲むと中性脂肪が増える？
プロペシアには男性機能の低下や肝機能障害といった副作用が添付文書に記載されていますが、中性脂肪が増えるといった副作用は記載されていません。
中性脂肪増加がみられるとしても、極めて稀なケースだということです。
薄毛の治療を専門としているクリニックの中には、プロペシアの服用によって中性脂肪が増えたケースもあるとしています。
ただその場合であっても頻度は極めて稀だということです。
プロペシアの有効成分であるフィナステリドには、男性ホルモンにアプローチして、抜け毛のリスクファクターとなるTGF-βの産生を抑制する効果があります。
それによってAGAの改善効果が期待されるのです。
プロペシアの服用中に中性脂肪が増えた場合、糖質やアルコールの摂取量を減らすように心がけましょう。
また甘いものを食べると急激に血糖値が上昇するので、食物繊維を摂ってからにするとよいでしょう。
監修医情報
湘南AGAクリニック
新宿本院院長 斎藤医師
経歴
- 1994年三重大学医学部卒業
同付属病院脳神経外科入局 - 2001年大手美容外科勤務、院長職
- 2009年湘南美容外科クリニック勤務
- 2016年湘南AGAクリニック大阪院勤務
- 2023年湘南AGAクリニック新宿本院勤務
運営者情報
| 運営クリニック | 湘南AGAクリニック 新宿本院 |
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